近代とミュージアムの成立」

 

平成22年1月9日に催しましたシンポジウム「近代とミュージアムの成立」が無事終わりましたことをご報告いたします。

参加者30名程度で午後1時30分より午後6時30分まで密度の濃いご講演とディスカッションが行われました。

第1講演者である種田明先生(静岡芸術大学・産業考古学)は、ご専門の立場から「ミュージアムの成立と展開」について楽しい逸話を交えて外観を与えてくださいました。とりわけ批判の対象になりながらなかなか実態のわからない19世紀のミュージアムについて貴重な情報を与えてくださいました。

第2講演者である小田部胤久先生(東京大学・美学)は「歴史家としてのヴィンケルマン:バロックと古典主義の交錯するところ」というご講演で、古典主義の主唱者として美術史創設および美術館成立の立役者とされるヴィンケルマンには、実は、バロック的体系への志向、円環的歴史観が根強く残存していることを明らかにされ、時代の変換点に立つヴィンケルマンの二義性を指摘されました。それはちょうど「クンストカマー」(人工物蒐集室)から美術館、博物館へと分化してゆく時代の二義性に他ならないことを、明晰に語ってくださいました。

第3講演者である岡本和子先生(大東文化大学・ベンヤミン論)は「言語というアーカイヴ:ベンヤミンの『蒐集』をめぐって」と題されたご講演において断片的にしか残されていないベンヤミンの蒐集論を丹念に再構成され、20世紀前半に学的収集と分類とは異なる新しい蒐集論をベンヤミンが意図していたことを指摘されました。

こうして、18世紀前半と20世紀前半に「ミュージアム」に関して大きな転換点があり、それは知の構造変換とも呼べるものと連動していたのではないかという私たちの仮説が補強されたのではないかと考えております。私たちのミュージアム研究はまだまだ始まったばかりですが、幸先の良いスタートを切ることができたように思います。

ディスカッションも活発に行われ、参加者のこのテーマに関する関心の大きさを実感することができた次第です。講演者の方々また参加者の皆さんに心より感謝申し上げます。

次回は2月末ないしは3月初めに講演会を予定しております。詳しいことにつきましては近々ご案内いたしますので、ご参加をお待ちしております。

 1月12日 19世紀学学会事務局 桑原聡

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  1. 小田部 胤久 先生
    (東京大学・美学)
  2. 種田 明 先生
    (静岡文化芸術大学・産業考古学)
  3. 岡本 和子先生
    (大東文化大学・ベンヤミン論)

 

なお、シンポジウム終了後、19世紀学学会総会及び懇親会を 予定しておりますので、こちらへのご参加もよろしくお願い 申し上げます。

プログラムリーフレット

啓蒙主義の時代における神秘主義思想:ヨーロッパ文化のもう一 つの思想的潮流

 

 

  1. 今野 喜和人 先生 (静岡大学)
    神秘思想家の見たフランス革命:サン・マルタンの『クロコディル』を中心に
  2. 大角 欣矢 先生 (東京藝術大学)
    ハルモニアの形而上学と啓蒙思想:18世紀から19世 紀初頭のドイツ語圏における対位法をめぐる言説を中心に
  3. 坂本 貴志 先生 (山口大学)
    集合的記憶の生成:カントからフロイトへ

プログラムリーフレット

19世紀の再検討-思想史、メディア論、身体論の立場から-

鈴木佳秀教授退官記念特別シンポジウム「学問・教養・19世紀」

第5回講演会

第18回 近現代東北アジア地域史研究会大会開催のお知らせ

19世紀学研究所プロジェクト研究会

19世紀学研究所プロジェクト「19世紀の社会・文化・法・芸術と学 問についての基礎的研究」研究会(略称ウエーバー研究会)を下記のおり開きますので、ご参加下さい。

19世紀の再評価: 19世紀の可能性

19世紀学研究所は、秋の国際シンポジウムを開催しました。

今回は4カ国語を使用することになり、うまくいくかどうか危惧しておりましたが、どうにかなるものだと確信いたしました。 「19世紀の再評価ー19世紀の可能性」という総合テーマにふさわしく、19世紀の多彩なアスペクトが浮き彫りにされ、 19世紀学研究の今後の発展を大いに期待できると感じた次第です。 また、それぞれのご講演の質が高く、参加者に知的興奮を与えてくれました。

今回の成果は、今年度末発行の「19世紀学研究」第3号に収録される予定ですので、 今回ご参加できなかった方はそれを参照していただければ幸いです。

最後にシンポジウムに関わってくださった方々すべてに御礼を申し上げます。 取り急ぎご報告とお礼を申し上げます。     

平成20年 10月 6日 

19世紀学研究所長・19世紀学学会長 鈴木佳秀

 

テーマ

19世紀の再評価: 19世紀の可能性

The 3rd International Symposium, "The Revaluation of the 19th Century: Possibilities of the Century"

報告者
  • ヴォルフガング・ブラウンガルト:ビーレフェルト大学/独
  • エリック・ブノワ:ボルドー第3大学/仏
  • ドミニック・ジャラセ:ボルドー第3大学/仏
  • ヨアヒム・ラートカウ:ビーレフェルト大学/独
  • 臼井隆一郎:東京大学/日本
  • 大角欣也:東京芸術大学/日本
  • 佐々木充:新潟大学/日本
  • 橋本一径:日本学術振興会研究員/日本
  • 廣田功:新潟大学/日本
日 時
  • 2008年10月4日(土),5日(日)
  • 10月4日(土)18:00~懇親会
場 所
  • 新潟大学 松風会館 第一会議室
共 催
  • 19世紀学学会
  • 新潟大学人文学部(研究プロジェクト「声とテクスト論」

プログラムリーフレット(Last Updated in Spt. 24, 2008)

 

19世紀学研究所主催、特別講演会を開催しました。

テーマ
Hybridity. A Critical Conceptual History
報告者
Dr. Thomas Schwarz (Visiting Lecturer in New Delhi, India/DAAD)
日 時
2008年8月25日(月) 17:00―
場 所
新潟大学 人文学部3階 学際交流室
(2階から理学部側の階段を上ってください。)

 

pdfプログラムリーフレット(12KB)

 

19世紀学研究所主催、シンポジウムを開催しました。

19世紀学とは何か:19世紀学研究の可能性

日   時: 2008年5月24日(土) 13:00-

場   所: 新潟大学 総合教育研究棟1F 大会議室

報 告 者:
 ・ 松本 彰 (歴史学) 司会
 ・ 金山 良太 (英文学)
 ・ 後藤 康志 (教育メディア論)
 ・ 曽田 長人 (思想史・教養概念)
 ・ 野崎 眞澄 (生物学)
 ・ 廣田 功 (経済学)

pdfプログラムリーフレット(560KB)

 

19世紀学研究所主催、第四回講演会を開催しました。

19世紀学とは何か:19世紀ドイツにおける市民社会・教養・学問

日   時: 2008年4月25日(金) 18:00-20:00

場   所: 経済学部第一合同研究室(C-345)

報 告 者: 松本 彰  (新潟大学人文学部)

pdfプログラムリーフレット(560KB)

 

19世紀学研究所プロジェクト
「19世紀の社会・文化・法・芸術と学問についての基礎的研究」研究会のお知らせを告知しました。

ヴェ-バ-社会理論のダイナミクス

日   時: 2008年3月7日(金) 17:00-19:00

場   所: 経済学部第一合同研究室(C-345)

報 告 者: 松井 克浩 (人文学部教授)

代   表: 中村 哲也 (実法・現社教授)

 

19世紀学研究所主催第二回講演会のお知らせを告知しました。

フランス植民地主義の過去:消去と復活の間で

日   時: 2007年12月11日(火) 17:00-19:00

場   所: 新潟大学ベンチャービジネスラボラトリー 1F大会議室

講 演 者: ジル・マンスロン (Gilles Manceron)

講演題目: (日本語レジュメ、通訳あり)

司   会: 廣田 功

コメンテーター: 井村 哲郎、芳井 研一

プログラムリーフレット

 

19世紀学研究所主催特別イベントのお知らせを告知しました。

詩人、吉増剛造:「GOZO-CINEとUragoe(裏声)」(入場無料)

日 時: 2007年11月17日(土) 18:30-

場 所: 砂丘館(旧日本銀行新潟支社長役宅)

特別ゲスト: 高橋 世織 (文芸批評家)

問合せ先: 鈴木 正美 (新潟大学人文学部教授)     

       : masami(at)human.niigata-u.ac.jp

  吉松剛造プログラムリーフレット

 

19世紀学研究所主催第2回国際シンポジウムのお知らせを告知しました。

声とテクストとまなざしの19世紀

日   時:2007年11月18日(日) 10:00-

場   所:ホテルイタリア軒 サンマルコの間(3F) 春日の間(5F)に変更

講 演 者:
 ・ エリック・ブノワ
 ・ 高橋世織
 ・ 吉増剛造
 ・ ロベルト・テッローシ
 ・ 鈴木雅之

懇 親 会:18:40より、会費¥6,000

プログラムリーフレット

 

【日本学術振興会】人文・社会科学振興プロジェクト国際シンポジウムの案内のリンクを掲載しました。(Aug. 9, 2007)

『教養教育の再構築』:国際シンポジウムのお知らせ

 

19世紀学学会、学会誌への論文投稿要項へのリンクを掲載しました。(Aug. 9, 2007)

【19世紀学学会学会誌】:原稿募集要項のお知らせ

 

第一回プロジェクト研究会を開催の告知を掲載しました。

マックス・ウエーバーとロシア

報 告 者: 佐藤 芳行  (経済学部 教授)

日   時: 2007年10月4日 17:00-19:00

場   所: 経済学部第一合同研究室(法文棟C-345)

オーガナイザー: 中村 哲也  (実法研・現社研 教授)

プログラムリーフレット

 

19世紀学研究所では第一回講演会の告知を掲載しました。

日 時: 7月27日(金) 17:00-

場 所: 新潟大学人文社会学系棟第一会議室(2階)

講 師: 

 ・ 筒井 賢治  (超域研究機構 准教授)
      新発見『ユダの福音書』をめぐって
 ・ 源河 達史  (超域研究機構 准教授)
      リエージュ写本UBL230における
      Ivo von Chartresの『序文』について

 プログラムリーフレット

 

19世紀学学会、19世紀学研究所共催『第一回国際シンポジウム:19世紀と神話学』の告知を掲載しました。

日 時:5月26日(土) 10:00-17:00

場 所:ホテル・イタリア軒 5階 「朝日」の間:

講演者:
 ・ Otto Langer(ドイツ・ビーレフェルト大学名誉教授)
 ・ Elmar Holenstein(スイス・チューリッヒ工科大学名誉教授)
 ・ 臼井隆一郎(東京大学教養学部教授)
 ・ 香田芳樹(慶應義塾大学文学部教授)
 ・ 小田部胤久(東京大学文学部教授)
 ・ 守矢健一(大阪市立大学准教授)

プログラムリーフレット

 

19世紀学研究所設立記念総会・講演会の告知を掲載しました。

1.記念講演会

日 時: 平成19年3月3日(土) 15:00-
会 場: ホテル イタリア軒 サンマルコの間(3階)

講 師: 村上 陽一郎 東京大学名誉教授・ 国際基督教大学大学院教授 「19世紀に何が起こったか―科学の視点から」   

2.記念式典

挨 拶:: 鈴木 佳秀 新潟大学コア・ステーション 19世紀学研究所長

祝 辞: 篠田  昭  新潟市長

祝 辞: 長谷川 彰 新潟大学長

3.祝賀会

挨 拶: 生田 孝至 新潟大学人文社会・教育科学系長

祝 辞: 柳本 雄司 新潟大学全学同窓会長

祝 辞 および 乾 杯: 板東 武彦 新潟大学研究担当理事

【弦楽四重奏曲演奏】
ドヴォルザーク作曲「アメリカ」 第一楽章
 ・ チェロ          宇野 哲之 教育人間科学部助教授
 ・ 第一ヴァイオリン   五来 貴洋
 ・ 第二ヴァイオリン   山田 優花
 ・ ヴィオラ         原   崇教

閉会の辞: 永山 庸男 新潟大学人文社会・教育科副学系長

 

19世紀学学会設立記念講演会・総会・祝賀会を開催しました。

日 時:平成18年12月23日(祝日) 15:00-

場 所:ホテル・イタリア軒5階「春日の間」

15:00-16:00 記念講演:遅塚忠躬先生
    (お茶の水女子大学名誉教授)「19世紀と現代」

16:30-17:30 記念シンポジウム「19世紀学の課題」

パネラー: 
   ・ 遅塚 忠躬
   ・ 松本 英実 (新潟大学実務法学研究科助教授)
   ・ 逸見 龍生 (新潟大学人文学部助教授)
   ・ 松本 彰 (新潟大学人文学部教授)

18:00-20:00 総会・祝賀会(会費:6000円)

プログラムリーフレット