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研究科長挨拶

Message from the Dean

新潟大学大学院現代社会文化研究科長

Dean of the Graduate School of Modern Society and Culture, Niigata University

                  大竹 芳夫 Yoshio OTAKE, Ph.D.

 有史以来、人類は不可能を可能にし、理想を現実のものとするために、共に助け合いながら生きようとする「共生」の精神をもちながら日々努力してきました。その結果、現代社会は繁栄の極に達し、私たちの生活は非常に豊かになりました。しかし、繁栄の陰に潜むさまざまな弊害が肥大化しつつあることもまた事実です。

 科学の暴走がもたらす深刻な自然破壊、地球温暖化現象、共生の精神を無視して過熱する国家間の競争、相次ぐテロ、若者のコミュニケーション能力の低下等がそのことを端的に物語っていると言えるでしょう。共に助け合いながら生きてゆく共生の精神の喪失は、社会の危機に直結します。私たちはこうした状況を直視しながら、利己的に他者を排斥したり、人類に生命を注ぐパイプである自然を断ち切るのではなく、一人一人が協力し合い、高い倫理観をもって英知を結集する必要があります。そのためには、学問を通して自らの在り方を厳しく検証することによって、多様性を尊重しつつ互いに共生できる社会、さらには人類と自然とが共生できる未来を築くにふさわしい真の人間性を回復することこそが急務です。

 新潟大学大学院現代社会文化研究科は1993年に設置され、現代社会における課題を学生が自ら主体的に探求し、柔軟な思考能力と深い洞察に基づく課題解決能力を育成・伸長することを教育の基本目標にしています。また、人間と人間、人間と自然が「共」に「生」きることを意味する「共生」と、さまざまな問題を現代という文脈の中で捉えなおすことを意味する「現代性」のふたつを理念として掲げています。新潟大学は日本海側中央の政令指定都市新潟市に立地しており、東アジアとそれを取り巻く環東アジア地域のみならず国際社会における「共生」に資する人材を育成するという重要な使命を本研究科は担っています。

 本研究科は人文科学、社会科学、教育科学の幅広い専門分野の210名もの教員を擁する文系の総合型大学院としての特徴を活かし、自分の専門の研究を第一義としながらも、既存の学問領域の枠にとらわれることなく学際的な見地からも探求できるカリキュラムを用意しています。社会経験を積んだ社会人学生や世界各地からの留学生を受け入れる体制も整えています。多様な背景をもつ学生同士が相互啓発を通じて研究内容を深化させるとともに、幅広い視野も獲得できることでしょう。

 学問を究めることは決して容易いことではありません。しかし、学問の厳しさに耐えることによって開示された一人一人の可能性が、「共生」の精神に支えられた真に豊かな人間社会を形成する可能性を示唆することは自明です。

 情熱あふれる多くの方々が新潟大学大学院現代社会文化研究科の基本理念に共鳴され、本研究科を研鑽と交流の場として活用されることを期待しています。

Profile

大竹 芳夫(おおたけ よしお)

新潟市生まれ。筑波大学第一学群人文学類卒業。筑波大学大学院教育研究科教科教育専攻英語教育コース修了。教育学修士。博士(応用言語学)。筑波大学助手、信州大学准教授、文部科学省在外研究員(米国ハーバード大学言語学科客員研究員)等を経て、現在、新潟大学教授(教育研究院人文社会科学系)。2018年11月より現職。日本英語学会評議員、英語語法文法学会運営委員。主な研究業績に、“Semantics and Functions of the It is that-Construction and the Japanese No da-Construction.” (MIT Working Papers in Linguistics. 43. 米国マサチューセッツ工科大学, 2002), 『「の(だ)」に対応する英語の構文』(くろしお出版, 2009), 『談話のことば1 文をつなぐ』(<シリーズ>英文法を解き明かす:現代英語の文法と語法 第3巻.)(研究社, 2016)などがある。