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教育

日本語チューター室から

 

現代社会文化研究科では、2024年度から「日本語チューター制度」を開始しました。指導を担当されているチューターの中本咲久良さんにインタビューを行い、制度の概要についてお伺いしました。


 

Q:このたびはよろしくお願いします。まず、中本さんの専門分野について教えてください。

中本:日本文学の中でも近代文学、特に俳句(はいく)を中心に研究しています。俳句とは、五・七・五音のリズムに合わせて作られた、日本の伝統的な詩の一形態です。俳句には季語(きご)といって、季節を象徴する言葉が入る場合が多く、季語専門の辞書を歳時記(さいじき)や季寄せ(きよせ)と呼びますが、歳時記や季寄せの歴史にも興味を持っています。

Q:日本文学がご専門なのですね。これまでの経歴について簡単に教えていただけるでしょうか。

中本:令和5年(2023)3月に新潟大学大学院現代社会文化研究科(以下「現社研」)にて博士(文学)の学位を取り、博士後期課程を修了しました。その後は博士研究員として現社研に所属しており、今も博士研究員として研究活動を続けながら、現社研の日本語チューターの仕事をさせていただいております。

Q:それでは、現社研が実施している「日本語チューター制度」について説明をお願いします。

中本:現社研の博士後期課程学生の、日本語によるアカデミックライティングのスキル向上を目標に掲げ、令和6年(2024)5月から運用がスタートした新制度です。大学院生があらゆる論文やレポートの日本語チェックを、気軽かつ手軽に受けられるように整備されました。

Q:日本語チューター室はどこにあるのでしょうか。

中本:新潟大学五十嵐キャンパスの、大学院現代社会文化研究科棟1階にあります。現社研棟の建物の玄関を入ってすぐ右手の部屋です。

Q:毎年、健康診断を受ける保健管理センターの隣の建物が現社研棟ですね。日本語チューター室ではどのような活動をしていますか。

中本:現社研の博士後期課程学生によって日本語で書かれた論文やレポートなどの、ネイティブチェックや添削指導を無料で実施しています。

Q:日本語チューター室を利用できるのはどのような人ですか。

中本:現社研所属の博士後期課程学生です。日本語のネイティブチェックを希望する留学生の利用が多いのですが、それ以外の日本人学生の利用も大歓迎です。

Q:留学生でも日本人でも指導してもらえるのですね。指導はどのように行われていますか。

中本:マンツーマンで完全個別指導をしています。日本語チューター室での対面指導が原則ですが、オンライン指導にも対応しています。日本語チューター室では指導時間のことを「セッション」と呼んでいますが、1セッションは50分です。1日につき1セッションまでネット予約が可能です。

Q:添削の対象となるのはどのようなものですか。

中本:大学院生が日本語で書いた学術的な文書に限っています。具体的には、日本語で書かれた投稿論文、修士論文、博士論文、現社研の授業で課されたレポート、学内外の学会や研究会の発表資料などです。

Q:開室日時はどうなっているのでしょうか。

中本:原則として、毎週火曜日および金曜日の11:00~14:30に開室しています(12:00~12:30は除く)。火曜日、金曜日が日本の祝日や大学休業日に当たる場合は休室です。加えて、日本語チューターの都合による不定期の休室があります。毎月の開室カレンダーは現社研日本語チューター室のドアに掲示しています。また、ネットの予約専用ページからも、2週間先までの開室日を確認することができるので、チェックしてみてください。

Q:現社研日本語チューター室の利用方法を教えてもらえますか。

中本:日本語チューター室での対面指導については、ネット予約優先制です。現社研のサイトにある日本語チューター室予約専用ページから、予約を取って利用してください。予約もキャンセルも、当日のセッション開始1時間前まで、ネットからご自分でしていただけます。持ち物は、紙に印刷した原稿です。日本語チューターが赤ペン等で書き込みをしますので、添削用にプリントアウトしたものを用意してください。内容にもよりますが、1回のセッションで添削できる量は、A4横書きで1枚~3枚程度です。オンライン指導は完全ネット予約制です。

Q:オンラインでも指導を受けられるのですか。オンライン指導についてもう少し詳しく説明してください。

中本:病気や怪我、県外出張などで、日本語チューター室にどうしても来られない場合に、特例としてオンライン(zoom)を用いた指導の受講を許可しています。オンライン指導を希望する場合も、現社研のサイトにある日本語チューター室予約専用ページから予約を取ってください。予約の際、「備考」欄に「〇〇(理由)のため、zoomによる指導希望」と記入してください。オンライン指導は完全ネット予約制です。また、これまで日本語チューターによる指導を一度も受けたことのない院生に対しては、オンライン指導は行いませんので、注意してください。

Q:なるほど。オンライン指導は、2回目以降から利用できるということですか。

中本:そうです。初回は対面指導のみです。日本語チューター室を初めて利用するという方は、日本語チューター室にて対面指導を受けてください。また2回目以降であっても、日本語チューター室に来られない事情が特にない場合は、日本語チューター室にて対面での利用をお願いします。

Q:添削指導の内容をもう少し具体的に説明してください。

中本:指導のメインは日本語のネイティブチェックです。いわゆる「てにをは」を中心に、自然で適確な日本語表記になっているかを確認し、添削します。あとは、たとえば「言う」、「書く」を「述べる」、「議論する」、「検討する」、「論ずる」に直したり、「いろんな」を「さまざまな」、「多様な」、「多岐にわたる」に直したりするような、文脈に合った論文用語への言い換えを指導することも多いです。

Q:日本語チューターとして添削指導にあたる際に、心がけていることはありますか。

中本:利用者のみなさんが執筆した日本語論文を読み、どのような内容を書きたかったのかを聞き取り、より筆者の意に沿った適確な日本語表現に近づけるよう心がけています。そのうえで、なるべく自然で、かつ論文にふさわしい日本語表現になるように指導しています。

Q:最後に、現社研の大学院生のみなさんへメッセージをお願いします。

中本:日本語チューター制度をまだ利用したことのない方には、ぜひ一度、利用してみていただきたいです。論文やレポートは、最後まで書き上がっている必要はありません。とりあえず書けているところまででも大丈夫です。まずは現社研サイトの日本語チューター制度のページをご覧のうえ、ネットから予約を取ってください。

 

日本語チューター制度についてはこちら

https://www.gens.niigata-u.ac.jp/tutor-system.html